ポケモンが3割下げた7月。この年いちばん厳しかった月の話【2023年7月】
PSA10トレカ相場まとめ
2023年7月
正直に書きます。過去分をさかのぼって集計した中で、この2023年7月がいちばん厳しい月でした。ポケモンの中央値は-30.3%。追跡していた113枚のうち、月初より高く終わったのはたった9枚です。9割以上のカードが下げ、しかもその下げ幅が大きい。数字を出しながら、当時これを毎日見ていた人はしんどかっただろうな、と思いました。
中央値がマイナス30%というのは、平均が一部の暴落に引っ張られた、という話ではありません。真ん中のカードが3割落ちている、つまり板全体が同じ方向に、同じくらいの勢いで売られている状態です。相場の言葉で言えば「投げ売り」に近い。持っている人が値段を見て怖くなり、少しでも高いうちにと手放し、その売りがさらに値を下げる——負の連鎖が回っていた1ヶ月でした。
数字で見る2023年7月
| タイトル | 中央値 | 上がった枚数 |
|---|---|---|
| ポケモン | -30.3% | 113枚中 9枚 |
| ワンピース | -4.0% | 14枚中 4枚 |
| 遊戯王 | -12.5% | 1枚中 0枚 |
高額カードが軒並み半値に
| カード | 変化 | 価格(月初→月末) |
|---|---|---|
| カミツレのきらめき SR | -54% | ¥60,169 → ¥27,600 |
| ピカチュウV | -54% | ¥28,000 → ¥13,000 |
| レシラム&ゼクロムGX (N) SR | -53% | ¥66,340 → ¥31,000 |
| リザードン&テールナーGX SR | -52% | ¥100,000 → ¥48,000 |
| リザードンVMAX SSR | -52% | ¥67,131 → ¥32,286 |
下落上位を見て息をのむのは、下げ幅がきれいに-52%〜-54%で揃っていることです。特定の不人気カードが崩れたのではなく、¥60,000〜¥100,000クラスの高額カードが、そろって「ちょうど半分」になっている。リザードン&テールナーGXは¥100,000が¥48,000に、カミツレのきらめきは¥60,000が¥27,600に。ふだんは値崩れしにくいとされる人気の看板カードでさえ、この月ばかりは容赦がありませんでした。買い手が一斉に引いた相場では、人気も肩書きもあまり効かない、ということです。
上げた9枚を見ておく
| カード | 変化 | 価格(月初→月末) |
|---|---|---|
| コスモッグ (リーリエ) ミラー | +25% | ¥8,000 → ¥10,000 |
| サンダーex SAR | +20% | ¥30,000 → ¥36,000 |
| ヒスイゾロアークVSTAR SAR | +14% | ¥9,704 → ¥11,111 |
| リザードンV SR | +12% | ¥60,000 → ¥67,000 |
| ライコウV SAR | +11% | ¥6,999 → ¥7,777 |
逆行して上げた9枚も、よく見ると上げ幅は+11%〜+25%と控えめです。全面安の月は、勝ち組ですら小さくしか勝てない。つまり「この月に上がったカードを持っていたから助かった」というより、「傷が浅く済んだ」に近い。派手に3倍4倍になるカードが出るのは、地合いが良い月の特権だと、この一覧が逆説的に教えてくれます。
救いがあるとすれば、ワンピースの中央値が-4%と、ポケモンほどは崩れなかったことです。もっとも追跡14枚と母数が薄く、しかもロロノア・ゾロのSRが¥148,000から¥105,000へ落ちるなど、高額枠はやはり売られています。タイトルによって痛みの深さは違っても、この夏の空気そのものは、どこも重かった。
渦中では底は見えない
暴落の月に唯一はっきり言えるのは、「渦中にいる人には、そこが底かどうか絶対に分からない」ということです。当時この-30%を見ていたら、多くの人が『まだ下がる』と感じたはずで、実際その感覚は間違っていませんでした——このあとも8月・9月と重い月は続きます。ただ、後からデータで振り返ると、2023年の夏がまさに底値圏で、ここで投げずに握れた人は、翌年以降の回復をそのまま受け取れた。それだけは、数字が証明しています。
いちばん厳しい月をきちんと記録に残すのは、次に相場が荒れたときのためです。「あのときは-30%まで行って、それでも戻った」という一次資料があるだけで、次の下落局面での握力はだいぶ変わります。楽しい月だけでなく、こういう月こそ数字で残しておきたい——そう思って書きました。