下落局面のさなかの6月。ポケモンが2割近く下げた話【2023年6月】
PSA10トレカ相場まとめ
2023年6月
このレポートを書くにあたって、いちばん古い月まで数字をさかのぼってみました。行き着いた先が、この2023年6月です。トレカブがPSA10の月次騰落を集計できるのはここが最初で、これより前の月は「同じカードが月内に2回以上成約している」という条件を満たすデータが薄く、月初と月末を比べる、という当たり前のことができませんでした。だから記録はここから始まります。
そして正直に言うと、その記念すべき最初の月が、きれいな下落相場でした。ポケモンの中央値は-18.6%。追跡していた77枚のうち、月初より値上がりして終わったのは9枚だけです。残りの68枚はすべて横ばいか下落。景気のいい話から始めたかったのですが、相場は相場で、こちらの都合には付き合ってくれません。
数字で見る2023年6月
| タイトル | 中央値 | 上がった枚数 |
|---|---|---|
| ポケモン | -18.6% | 77枚中 9枚 |
| ワンピース | ±0.0% | 4枚中 0枚 |
| 遊戯王 | -1.8% | 1枚中 0枚 |
中央値-18.6%という数字は、感覚的にはピンと来にくいかもしれません。要するに「ちょうど真ん中のカードが、ひと月で2割近く値下がりした」ということです。一部の暴落が平均を引きずり下げた、という話ではありません。板のほぼ全域が、そろって下を向いていた。こういう月は、どのカードを持っていても評価額が削られるので、コレクションを眺めるのが少し億劫になります。
とくに大きく下げたカード
| カード | 変化 | 価格(月初→月末) |
|---|---|---|
| テールナー CHR | -46% | ¥27,000 → ¥14,650 |
| ソルガレオ&ルナアーラGX (リーリエ) RR | -43% | ¥35,000 → ¥20,000 |
| ソルガレオ&ルナアーラGX (リーリエ) SR | -41% | ¥230,000 → ¥136,667 |
| リーリエの全力 SR | -40% | ¥369,999 → ¥221,333 |
| ブラッキー☆ プロモ | -40% | ¥58,667 → ¥35,375 |
並べてみて分かるのは、値の張るカードほど派手に削れていることです。リーリエの全力SRは¥370,000近くから¥220,000そこそこまで、ソルガレオ&ルナアーラGXの高額版も¥230,000から¥137,000へ。金額ベースで見れば、1枚で10万円以上が消えている計算になります。高額帯は買い手の数がそもそも限られるので、地合いが悪くなると値が付きにくく、下がるときは一気に下がる。この時期の下げは、まさにその高額帯が主役でした。
それでも上げた9枚
| カード | 変化 | 価格(月初→月末) |
|---|---|---|
| ミュウex プロモ | +27% | ¥20,400 → ¥26,000 |
| ピカチュウVMAX UR | +21% | ¥21,500 → ¥26,000 |
| コイキング AR | +20% | ¥15,000 → ¥18,000 |
| ナンジャモ SAR | +14% | ¥205,000 → ¥233,400 |
| グレイシアV SR | +12% | ¥58,000 → ¥65,000 |
9枚しかない上昇組の顔ぶれも、なかなか示唆的です。ミュウexのプロモ、コイキングのAR、そして当時から高値だったナンジャモのSAR。いずれも「名前で欲しい人が一定数いる」カードで、地合いが悪くても買い手が消えなかった。逆に言えば、この月に上げられたのは、そういうごく一部の人気枠だけだった、ということでもあります。
ワンピースと遊戯王の数字も載せてはいますが、追跡枚数がそれぞれ4枚・1枚と少なく、これで「タイトルの傾向」を語るのは無理があります。ワンピースは0%が並んで中央値±0%、遊戯王は青眼の白龍が1枚あるだけ。この2タイトルの追跡枚数は、このあと月を追うごとに増えていくので、代表値として読めるようになるのはもう少し先です。ここでは「まだ薄い」と正直に断っておきます。
この後どうなったか
先に結論だけ言っておくと、6月は底ではありませんでした。翌7月にポケモンは中央値-30%というさらに厳しい下げを記録し、夏にかけてじわじわ底値圏を探りにいきます。今このレポートを起点に相場を追っていくと、2024年前半の重い時期や、2024年末〜2025年の何度かの大きな上げ相場が、一本の線としてつながって見えてくるはずです。
下落から始まる記録は地味ですが、いちばん安かった時期を数字で残しておけることには意味があります。相場が良くなったとき、「あの頃はこの値段だったのか」と振り返れる基準点になる。最初の月を淡々と刻んでおく——このレポートの出発点は、そういう1ヶ月です。